7月20日にフジノンの超広角ズーム、XF8-16mmF2.8 R LM WRの価格や仕様が発表されました。そこで出た意見で「高すぎる」というのをよく見ます。
果たしてXF8-16mmF2.8 R LM WR(以下XF8-16mmF2.8)は本当に高すぎるのか?勝手に考えてみました。
※レンズの名前の後に付いているRは絞りリング、LMはリニアモーター(静かで高速なAF)、WRは防塵防滴の意味です。
定価27万7500円は、他社のフルサイズの大三元並み
XF8-16F2.8 | Nikkor 14-24mmF2.8 | Sony 16-35mmF2.8 | |
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定価 | 277,500円 | 280,000円 | 295,000円 |
実売価格 | 20万円(?) | 20万円 13万円(中古) | 24万円 24万円(中古) |
発売年月 | 2018年11月予定 | 2007年11月 | 2017年7月 |
フォーマット | APS-C対応 | フルサイズ対応 | フルサイズ対応 |
画角(35mm換算) | 12-24mm | 14-24mm | 16-35mm |
絞り | f/2.8-22 | f/2.8-22 | f/2.8-22 |
レンズ構成 | 13群20枚 (非球面レンズ 4枚、EDレンズ 3枚、スーパーEDレンズ 3枚) | 11群14枚(EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコート) | 13群16枚 |
最大撮影倍率 | 0.1倍 | 0.14倍 | 0.19倍 |
サイズ | 88 x 121.5 mm | 98 x 131.5 mm | 88.5 x 121.6 mm |
重量 | 805g | 970g | 680g |
XF8-16mmF2.8の価格は27万7500円。
この30万円弱という価格は、最新のニコンの超広角ズーム14-24mmF2.8や、ソニーの16-35mmF2.8といった最高値のレンズと似たり寄ったりです。
中古価格を見ると、発売から10年が経過しているためニコンが圧倒的にお得です。逆にソニーは去年発売されたばかりで人気のため供給不足で中古と新品の価格が変わりません。
ニコンやソニーはフルサイズ用のレンズです。一方のXF8-16mmF2.8はAPS-C。XF8-16mmF2.8は受光面積の倍以上あるセンサーを採用した最高級のレンズと価格で横並びしてしまっています。センサーサイズが違うので、同じF2.8でもボケの量や高感度耐性には差が出ますね。
レンズ構成の項目を見ると、XF8-16mmF2.8が一番複雑かつ特殊レンズの枚数が最も多いレンズのようです。
この3本を比べると、XF8-16mmF2.8は最安値でもなければ最軽量というわけもなく、寄れるわけでもありません。強みは、35mm換算で12mmという超広角スタートだということです。
[speech_bubble type=”fb” subtype=”L2″ icon=”1.jpg” name=””]スペック的に、XF8-16mmF2.8と比較すべきはCANONのEF11-24mm F4L USM(実売35万円)だった…?[/speech_bubble]
FUJIFILM内のラインナップで見ると妥当な価格?
レッドバッジ | ノーマル | |
---|---|---|
超広角 | XF8-16mmF2.8 277,500円 | XF10-24mmF4 131,000円 |
標準 | XF16-55mmF2.5 161,000円 | XF18-55mmF2.8-4 81,000円 |
望遠 | XF50-140mmF2.8 218,000円 | XF55-200mmF3.5-4.8 93,000円 |
XF8-16mmF2.8は、2本ある超広角ズームのうち、レッドバッジと呼ばれるフラッグシップレンズです。定価は277,500円。
もう1本の超広角ズームはXF10-24mmF4。こちらも評判の良いレンズです。定価は131,000円です。
標準ズームの値段も見てみます。レッドバッジXF16-55mmF2.8が161,000円。XF18-55mmF2.8-4が81,000円。
望遠ズーム。レッドバッジのXF50-140mmF2.8が21,8000円。XF55-200mmF3.5-4.8が93,000円です。
レッドバッジズームは、ノーマルの倍くらいの定価が付けられています。超広角ズームはもともと高価なので、XF8-16mmF2.8の価格は、これくらいになるよね、という額です。
MTF曲線を比べてみる
MTF曲線です。ワイド端のもののみ並べてみました。
XF8-16mmF2.8
Nikkor 14-24mm
Sony 16-35mm F2.8 GM
MTF曲線。レンズの性能の一部を表すグラフです。
低周波(フジ15本/mm、それ以外10本/mm)の方がヌケ・コントラストを、高周波(フジ45本/mm、それ以外30本/mm)は解像感を表すそうです。
グラフ左がレンズ中心部で、右に行くほど周辺になります。上に行くほど優秀、下に行くほどダメだそうです。
破線と実線ができるだけ重なってる方がボケも綺麗とされています。(一概には言えないらしい)
正直、各社図がバラバラですし、私自身MTFの見方は詳しくは分かりません…。
ただ、XF8-16mmF2.8は中心部から周辺まで均一かつボケも綺麗であるように見えます。
“MONSTER GLASS” XF8-16mmF2.8 R LM WR
XF8-16mm F2.8 R LM WRのキャッチコピーはMONSTER GLASS(モンスターガラス)。必見のプロモーション動画になっています。
他の動画も公式のスペシャルサイトで見ることができます。
X-Photographerによるレビューと作例
レビューでは画質に関して絶賛されています。↓意訳
本来超広角レンズは、歪みと四隅のソフトさが避けられないものだが、8-16mmは特殊レンズでよく補正されている。8mmにおいても光学的な歪みがなく真っ直ぐ、周辺減光もほとんどない。10-24よりはるかにシャープで信じられないほど。f/2.8の開放でも。ボケも良い。
Via: Fujinon XF8-16mm f/2.8 mini review – A wider shade of Fujifilm by jonasrask|photography
まとめ ものすごく高いけど、本気だし妥当かも…
ということで、XF8-16mmF2.8は高いのか問題ということで勝手に考えてみました。結論としては、確かに高いけど妥当なのでは?という感じです。
最高の”モンスターガラス”を目指して作られているようですし、その最高のクオリティで35mm換算12mmF2.8スタートというのはこれまでにないスペックです。
いずれにしても実際に使ってみないことにはわかりません。発売日は11月下旬ということなのでお金をためながら待ちたいところです。
[speech_bubble type=”fb” subtype=”L2″ icon=”1.jpg” name=””]とはいえ実売でも20万円しそうだし、買える気がしない…。すでに持っているXF10-24もいいレンズだし…。[/speech_bubble]