こんにちは。シュンスケです。
デスクのMac用のスピーカー、買いました。だいぶ強いやつです。
Genelec(ジェネレック) 8010Aです。
カラーはダークグレーの8010APにしました。(ホワイトモデルの8010AWもあります。)
実際に使ってみてどうだったのか?一言で言うと最高なんですけども、レビューしていきます。
Genelecというメーカーについて
Pro At Home
私たちが目指すのは、部屋の大きさや予算の大小、そして場所に関わらず、どこでもプロフェッショナルのようにピュアでニュートラルなサウンドをお届けし、皆様の夢を叶えるお手伝いをすることです。
Genelec公式サイトより
Genelecは、プロ、もしくはプロを目指す人に使われるその道では知らない人はいない1978年創業のモニタースピーカー専業のメーカーです。
特にアンプを内蔵したアクティブモニターのみに特化して作り続けていることが他のメーカーと違う強みです。
小型のデスクトップモニターから、超大型のラージモニターまで幅広いラインナップがあり、そのどれもが著名なスタジオで採用されるなど非常に高い評価を受けています。
選んだ理由
このスピーカーを私が選んだ理由としては、
- いかにも音が良さそうなデザイン
- モニタースピーカーとしては超小型
- 好きなアーティストが使ってる
という感じです。
デザインは丸みを帯びたアルミ合金が、どこかB&W Nautilus(超高いスピーカー)を思わせるもの。音良さそう。
そして同クラスのものがほぼ存在しない小さなサイズ。
アーティストについては、Linkin Parkのマイク・シノダがプライベートスタジオでGenelecでミックスしているの見てからずっと欲しいと思っていました…。(ミーハー)
あと、1996年に作られたGenelec初のアルミダイキャストモデル1029AはAppleのスティーブ・ジョブズが自宅で愛用していましたね。
なので実質Apple製品と言っても過言じゃ無いかも(?)。
Genelec 8010Aの外観
まずは外観についてです。
Genelec 8010Aは、曲面で構成されたアルミダイキャスト製のキャビネット(箱)で出来ています。
実物は独特の高級感があります。
よくスタジオなんかにも置いてある写真があるんですけど、一度目にすると忘れない、かなり個性的な外観です。
ちなみにアルミとこの曲面の組み合わせは、見た目優先ではなく、極限までカラーレーションを排除するためのもの。まさに機能美といったところです。
サイズは高さ19.5cm x 幅12.1cm、奥行き11.6 mm。重量は1.5kgあります。
ウーハーサイズは76mm。ツイーターは19mm。
写真のディスプレイは27インチです。個人的には、デスクトップに置いてもそこまで悪目立ちするサイズじゃないと感じます。
ツイーターとウーハー部にはしっかりとした金属のネットがあるため、多少手荒に扱っても平気です。持ち運びにも適していますし、子供がいる私のような環境で安心です。
Genelec 8010Aの機能
Genelec 8010Aは、アクティブスピーカーとして、極シンプルな機能を持っています。
アンプはクラスD方式で、それぞれのドライバーに1基ずつあてがわれているバイアンプ仕様。(高域25W、低域25W)
背面にはXLR入力が1系統とAC電源の入力。入力ゲインの減衰スイッチ、さまざまなシチュエーションで使うためのイコライジング用のDIPスイッチがあります。
私の環境では-10dB、デスクトップコントロール、ローカット-2dBにして使っています。
-10dBにしておくと、小音量時のボリューム調整がやりやすくなります。
デスクトップコントロールは特に有用で、デスク上での設置で膨らみがちな特定の周波数を抑えてくれるため、音が見やすくなります。
ローカットは、壁に近い場所にスピーカーを設置する場合は、使ったほうが音がぼやけず分かりやすいです。
基本的には電源ケーブルとXLR入力を挿すだけで使えます。
スイッチはXLRからの入力信号があると自動的にオンになり(ISSという機能)、動作中はLEDインジケーターが光ります。
デスク用のスピーカースタンド(Iso-Pod)が付属しています。スピーカーからデスクへ、またはその逆の影響を避けつつ、角度(前後15度)をつけた設置が可能な賢いスタンドです。
Genelec 8010Aの使用感
使用感。いいです。
サイズが可愛いので設置後の移動や機材の変更も楽。
私はGenelec 8010Aを、Mac環境でAudient iD4 MkIIというオーディオIFに繋いで1ヶ月ほど使っていますが、快調です。
Genelec 8010Aは音楽を流すと自動で電源がオンになるISSという機能があるのですけど、絶妙にちょうど良い小音量くらいでオンになってくれます。なお、ISS機能は背面のDIPスイッチでオフにすることも可能です。
似たような機能は様々なスピーカーに搭載されていますが、機種によってはある程度の音量じゃないと反応しなかったりしがちですが、こちらは優秀。さすが多くのプロに愛されるだけあって、細かい部分までしっかり作られている印象です。
少し気になるのは、背面のXLR入力部。デスクトップで使うと、大きいXLRプラグだとデスクに当たります。ノイトリックのプラグだとダメな感じでした。
私は比較的小さいプラグの、オヤイデのケーブルを使って回避してみました。なお後述のデスク用スタンドを使うとこの問題は起きません。
↓ケーブルの長さと種類にご注意ください。また、Genelec 8010Aに挿すケーブル側の端子はXLRオスである必要があります。
Genelec 8010Aの音質
Genelec 8010Aの音質は、評判通りです。めっちゃいいです。とにかくカラーレーションが少ないです。
自然で広い音場で、付帯音が少なく、いい意味でヘッドホンで聴くような高い解像感があります。
小音量でも音痩せしないので、まさにデスクトップで使うのに向いている音質です。また一般家庭において、ある程度の大音量まではコンプ感が無く、リニアにスケール感が上がる印象です。さすがGenelec。
帯域バランスの良さも素晴らしく、高域の強調感があったり、小型のスピーカーにありがちな強い低音が全体の邪魔をしたり、といったこともありません。
例えばマシュメロのEDMを聴くと低域のパンチや重みもあり、トランジェント(音の立ち上がり)が良い、体が自然に動くようなとにかく気持ちいい音です。
それでいてTommy Emmanuelのギターソロはその場で演奏しているような指の動きが見えるような音も聞かせてくれます。
特に24bit/96kHzソースで聞くと、ミックスの現場の音を聞いてるような、しかもめちゃくちゃ音楽が楽しいっていうかエモい感じで聴けるので本当に最高です。
低音には限界が
気になる点としては、やはりサイズの小ささからくる物理的な低音の限界です。スペック上でも67Hz~20kHz(-6dB)となっており、実際に低い周波数は出ていません。
聴覚上はバランスが良く、デスク上で使う限り低音の不足は感じません。(慣れもある)
ただ、ミックスで使う際に低音をしっかり見たいだとか、リスニングでも体で感じるような低音が欲しい場合で、それなりのボリュームも出せる空間なら、上位機もしくは同価格帯でもより低音が出る他社の大きなサイズのモニターがあるのでそちらを検討した方が良いかもしれません。
個人的には8畳の部屋のデスク上で使うなら、Genelec 8010APの音のスケールに大きな不満は感じないので、このまま使っていこうと思っています。
狭い空間で過剰な低音はうまく処理が出来ないと音を濁すだけなので、意外と難しい…。
録音時のモニターとして使うとテンションが上がる
本来の用途のモニタースピーカーとして使うのも、当たり前ですがとても良いです。声、歌、ギター共に細かいニュアンスまでよく捉えてくれます。
さらに聞いていてテンションが上がる、楽しくなるような音なので、音楽制作に本当に向いたスピーカーだと感じます。人気なわけです。
スタンドを追加することでより高い音質に
デスクで使うための別売りスタンドを使うと、よりカラーレーションが少ない音を聞くことができます。Iso-Podの時よりも、デスクに反射していた低音の膨らみが解消され見通しが良くなり、解像感も上がります。
より良いオーディオインターフェースでさらにポテンシャルが発揮される
後日オーディオインターフェースを、Audient iD4MkIIから、ひとつ上のクラスのAntelope Audio Discrete 4 Synergy CoreやApollo Twin Xに買い替えました。
Genelec 8010Aはポテンシャルが高いのでこれらを使った音の変化が如実に現れます。
Antelope Audioの空間が広いキラキラ系の音も魅力的だし、Universal Audioの骨太で安定感のある音も気持ち良い!
響きすぎるライブな部屋だと本領発揮はしにくいかも?
よく音が響く環境をライブ、逆をデッドと言いますが、私の場合はかなりライブな場所だと言えそうです。メラミン仕上げで硬質なデスクの上に置いて、壁も近い環境なので…。
これだと、正直なところ高音が響く印象が拭えません。私の場合は素人なので、好みの問題っちゃ好みの問題ですが、拘るなら吸音材を設置するなどの対策が必要な気がしています。
SONEXの吸音材が評判いいらしいです。高いけど!
追記: iLoud Micro Monitorとの比較
各所で評判の良いモニタースピーカー、iLoud Micro Monitorを興味本位で入手してみました。
iLoud Micro Monitorは、よくGenelec 8010Aの第二候補に挙がったりしています。価格は約半額です。
iLoudは写真で見る限り印象はGenelecと似ていますが、Genelecはアルミ、iLoudは樹脂。容積も違いますし、iLoudはBose的なDSP補正がかなり効いたサウンドです。
Genelecと聴き比べると、音のクオリティには差を感じます。iLoudは樹脂の音が乗った、標準的なカーオーディオのようです。Genelecはより高解像度で、バランスが優れ、自然な音なのは間違いないです。
同じモニターでもiLoudは普段よく聞く音で、Genelecはスタジオの音といった感じなので、どちらも所有し使い分けることも出来ると思います。
低音の量感とリスニング的な楽しさは、好みによってはGenelecよりiLoudが上かもしれません。こちらも評判通り素晴らしいスピーカーです。
まとめ
ということで、Genelec 8010Aについて書いてみました。
ペアで買うと85,000円という価格なので、買うまではかなりハードルが高かったです。が、実際に使うと価格の価値を十分に感じますし、本当に満足です。
特にこのサイズでこの音、というのが驚くべきポイントで、この点においてはライバル不在と言っても良いかも?
Genelec 8010Aはデスクワークが長く、かつ音楽を聴く・作るといった楽しみを求めているような方にはぜひ一度試してみて欲しい製品です。
ガチでおすすめ。
8010AWという、部屋に馴染みそうなホワイトモデルもあります。
また、Gシリーズという、8000シリーズの音そのままに入力がRCAになり、コンシューマー用の機材にも合わせやすいモデルも出ています。
コメント
コメント一覧 (2件)
非常に参考になるレビューでしたが、ケーブルのリンクのものを購入して使えませんでした。
NEO OYAIDE d+XFT class B/3.0 オーディオケーブル XLRメス-TRSオス 3.0m (ネオ オヤイデ)
XLRはオスではないでしょうか。
コメントいただき本当にありがとうございます!
完全に間違ったリンクを掲載してました!!
お陰様で修正できました。
マジでありがとうございます。
そして申し訳ないです…。