小型のモニタースピーカーの定番、IK Multimedia iLoud Micro Monitorを使ってみたのでレビューします。
IK Multimedia iLoud Micro Monitorの概要
IK Multimediaは1996年創業のイタリアのDTM関連商品のメーカーです。(公式サイト)
元々DTMのソフトウェアで定評を得ていたIK Multimediaですが、2010年に登場し大ヒットしたiRigというiPhone/iPad用ギターインターフェース以降はハードウェアにも力を入れるようになりました。
スピーカーの第一作目はiLoud。小型でミュージシャンが使える品質のものということで世に登場し、こちらも高い評価を得ました。
今回紹介するスピーカーは、iLoud Micro Monitor。その名の示す通り、どこにでも持ち運べるほど大変小さいにも関わらず、音楽制作用に信頼できる性能を持つモニタースピーカーです。
今では中田ヤスタカ氏、石野卓球氏など、さまざまな著名ミュージシャンも使っている定番商品になりました。
iLoud Micro Monitorの外観、機能
iLoud Micro Monitor。私が購入したのはホワイトのスペシャルエディションです。ブラックの通常モデルもあります。
樹脂製で、とにかくコンパクトです。iPhone 13と比較してもこの小ささ。
正直音を聞くまでは、こんなサイズで本格的な音が出るとはとても思えません。
サイズは高さ18cm、幅9cm奥行き13.5cm。重さは左chが920g、右800g。
持ち運びに適したサイズなので、スタジオを飛びだしてホテルなど滞在先でもミックスが可能。
背面。入力はステレオミニ端子と、RCA端子。Bluetoothでの接続も可能です。
左右のスピーカーを繋ぐケーブルの太さが只者じゃない雰囲気。
40インチのディスプレイの左右に置いてみました。小さいです。
このシンプル・ミニマルな佇まいで、位相と周波数特性をコントロールする56bitのDSPを内蔵、大きな部屋をも満たす50W RMSという高出力を備えているというから驚きです。
本体下にはマイクスタンドを取り付けることができるネジ穴(UNC 3/8”-16)が備わっているのもありがたいポイントです。
iLoud Micro Monitornのイコライザー機能
背面のディップスイッチで、3種のイコライザーをオンオフにすることができます。
一番上のDESKは、デスクに置いた時に増幅される200Hz付近を適度にカットします。真ん中は高音強調です。一番下は低音を-3dBします。
私はDESKとLF-3dBをオンにして使っています。よく反響するデスク上なので、この状態が無駄な膨らみが減って使いやすいサウンドになります。
iLoud Micro Monitorの音質
早速、オーディオインターフェース(UA Apollo Twin X)に繋いで簡易的なセッティングで音を聞いてみました。
一聴して、とてもバランスが良いフラットなサウンドです。
自分の録音の音を聞いてもニュートラルな印象で安心して使えますし、3インチの小さいウーファーと小さい箱にも関わらず、しっかり低音が出ます。これは使っていてテンションが上がります。
ゲームをしてみたのですが、意外とこれもハマります。偽物じゃないガチの迫力のある音質が、並のゲーミングスピーカーでは太刀打ちできません。
私は普段このスピーカーの倍の価格であるGenelec 8010Aを使っているのですが、それと比べても50Hz付近の低音はiLoud Micro Monitorの方がハッキリ出ます。
中高音の透明感・解像感、ダイナミックレンジなど全体的なクオリティについてはGenelec 8010Aと比べると劣りますが、このサイズと価格で、これだけバランスの良い音を出してくるiLoud Micro Monitorには驚かされます。
気になる点としては、電源オン時は常に出るホワイトノイズです。どんなスピーカーでも多少は出ていますが、iLoud Micro Monitorのものは比較的大きめなので、無音時には結構気になる人も多いと思います。
まとめ 小型・高音質にこだわるならこれ
iLoud Micro Monitorについて書いてみました。
実際に使ってみても、評判が良いことが頷けました。
スピーカーはサイズが大きい方が音質面では有利だと言われていますが、iLoud Micro Monitorは小さいにも関わらず、値段なりかそれ以上の価値を感じさせるサウンドを持っています。
設置スペースが限られていて、ニアフィールドで使いたいがクオリティには妥協をしたくないという人にはこのiLoud Micro Monitorはうってつけです。
DTMのユーザー、音をチェックする動画・音声などのコンテンツ制作者はもちろん、音楽を楽しみたい人やゲーマーにも使ってもらいたい高品質のスピーカーです。
上位モデルとして、自動音場補正システムiLoud ARC Systemを備えた仮想同軸スピーカー、MTMもあります。こちらも気になる!