こんにちは。
冬用の羽毛布団と書いてあっても、冬に使うと暑すぎるなんてことがあります。それは最近の日本の家が暖かくなっているからです。この記事では、室温に応じて最適な羽毛布団を選ぶ方法を書いてみました。
羽毛布団選びの結論から…
寝室の温度 | 最適な羽毛布団 | 住宅の断熱等級 | 備考 |
23度以上 | 肌掛け(夏用) | 断熱等級7 | HEAT20 G3 |
16〜22度 | 合い掛け(春秋用) | 断熱等級5、6 | |
15度以下 | 本掛け(冬用) | 〜断熱等級4 | ’99年の省エネ基準 |
冬の寝室の最低温度と、最適な羽毛布団を表にしてみました。ご自身の住宅の断熱等級が分かる場合は、それも参考にしてみてください。
ただしこれは、次の項で説明する「Tog値」「Clo値」と自分の実体験を参考にした私の主観なのでご了承ください。
結論としては、最近建てられた家で、冬の寝室が20度前後をキープできるなら、冬でも春秋用の羽毛合い掛け布団が最適です。
しっかりとした気密断熱が取れている家で、寝室の室温が年中23度以上をキープしているなら、1年中夏用の肌掛け布団だけでOKだと思います。
日本では一般的な住宅で、冬の寝室が15度を下回るなら、冬用の羽毛本掛け布団をお勧めします。
羽毛布団の選び方についての根拠
この項では、上で書いた個人的な羽毛布団の選び方の表の根拠を説明します。
まずはいくつかの信頼できるサイトを参照しました。
15度〜25度は合い掛け布団説
● 15度以上25度以下
少し気温が上がって15度を超えるようになってきたら、「合掛け」の1枚で快適に眠ることができるでしょう。
羽毛布団は何月から何月まで使うもの? フランスベッド公式サイトより
フランスベッドの公式サイトから。15〜25度くらいの寝室なら合い掛けがおすすめされています。
これは様々なサイトで見かける一般的な情報です。
20度前後で肌掛けがちょうど良い説
20℃前後になると、肌掛け布団などの薄めの布団がちょうど良いと言われています。
掛け布団の役割と選び方 季節や温度、湿度に合った掛け布団を選ぼうより
20度前後では肌掛け布団とのこと。これもいくつかのサイトで書かれています。アイリスプラザより。
Togで選ぶ
イギリスで使われる寝具の暖かさの基準であるTog値です。このチャートは、寝室の室温と、それに合う羽毛布団の暖かさ(Tog値)についてです。
チャートによると、室温が15〜23度なら、3〜4.5 Togの羽毛布団が最適とのことです。これは、日本で売られている肌掛け羽毛布団に相当します。
Cloで選ぶ
同じく暖かさの基準を示すClo。こちらは米軍が各所で気候に合った最適な軍服を選ぶために作った基準です。
これによると、2.5 Cloの羽毛肌掛け布団が14度から23度位をカバーするということになります。
なおTogもCloも人体の周辺を33度±1度に保つのに必要な断熱材の量、と定義されています。
表は、寝床内の快適性より
羽毛布団を選ぶ際に気をつけたいこと
羽毛布団選びで、いくつか気にしたほうが良い点を。
ただどれも必ずこうしなければならない、という程では無いかも。
綿>ポリエステル
側生地の話。綿100%のものはポリエステル85%綿15%などのポリ混のものより蒸れにくく快適だと言われています。これは肌着なんかで想像すると分かりやすいです。
綿100%の中にも100番手〜60番手のものがあり、数字が大きいほど滑らかかつ軽くふんわりとした、しかも蒸れにくい羽毛布団に仕上がっています。
ただ良いものは際限なく高くなってしまうので、予算に合わせて選びましょう。
コスパに優れたちょうどいいおすすめな側生地は、綿100%で超長綿60番手のものです。
グース>ダック
羽毛の話です。同じDP(羽毛の性能を示す)でも、ダウンホールが大きいマザーグースから採取されたものを使った布団の方が寝心地が良いと言われています。
ダックダウンで、パワーアップ加工などの記述があるものは羽毛が中国台湾などから高い圧縮率で輸入されているようです。その場合、羽毛が痛んでいる可能性があり、長期的には良く無いかもしれません。
とはいえここも、こだわりだすと値段は青天井です。
おすすめは、DP400以上のグースでダウン93%のものです。
第三者による品質保証
羽毛布団を選ぶ際に大抵ついてくるギャランティーラベル。日羽連が出しているゴールドラベルと、CILギャランティーカードがあります。前者は羽毛布団全体を、後者は羽毛そのものが保証されます。これらが付いてくるものを選べば間違い無いと思います。
羽毛布団全体の品質が保証され、抜き打ちチェックがあるゴールドラベルのものを選ぶとより安心かも。
まとめると…
側生地が綿100%で60番手、羽毛はDP400以上のグース93%、ギャランティー付き。この条件で自分の家の室温に合ったものを、信頼できるメーカーから買うのが良いかと思います。
ただし日本で売られているほとんどの羽毛布団は、羽毛の飛び出しを防ぐのを優先して通気性を犠牲にしているものも多く、側生地が綿100%を謳う製品でも隙間を樹脂で埋めるような処理をしており、ポリ混と快適性にさほど差が無いという話もあります。
個人的にも、側生地が綿100%で60番手、羽毛はDP400以上のグース93%の羽毛布団と、側生地が綿15%ポリ85%、ダック90%で寝比べても、室温にあった羽毛布団であれば快適性に大きな差は無いと感じました。
実際に、合い掛けと肌掛けで寝てみた
最後に、実際に冬の寝室が18〜22度程度の環境で合い掛けと肌掛けで寝てみた感想を書いておきます。
肌掛け羽毛布団
家族でそれぞれ意見が違うので、3通り書きますね。
40代男性「寝入りは心地良い。室温が19度くらいになると肌寒く感じて暖房(オイルヒーター)をオンにした。」
30代女性「ちょっと寒かった。」
小学生「暑くも寒くもなく、ちょうど良い」
使った肌掛けはこちら。コスパに優れた日本寝具通信販売による羽毛布団です。
合い掛け羽毛布団
40代男性「室温が21度ある日の寝入りはちょっと暑い。朝方に室温が19度を切ると快適。」
30代女性「ちょっと暑いけど、布団から出たら寒いから難しい。冬はこちらの方がいい。」
小学生「暑くも寒くもなく、ちょうど良い。こちらの方が好きかも。」
合い掛けはこちらを使った感想です。甲州羽毛ふとんを出しているタキリビング製です。ちょっとだけ高めですけど、めっちゃ気持ちいいですこれ。
羽毛布団について雑談した
まとめ 快適な羽毛布団ライフを
ということで、羽毛布団選びについて書いてみました。
我が家では冬の寒い時期には合い掛けを、それ以外の季節に肌掛けを使うとちょうど良さそうでした。
なお、寝具は年齢や体格や性別など個人差でそれぞれ快適と感じるものが違います。室温も、体感温度とイコールかといえばそうでもなかったりするので「この室温なら絶対にこの羽毛布団が快適」とはなかなか言い切れない部分があります。
TogやCloが絶対かといえば、どちらも西洋人基準なので、凹凸の多い体型に合わせた柔らかい、保温性に優れたマットレスを使っている前提だと思います。私たちが住む日本で主流の布団やマットレスは、カビ対策もあり通気性優先なので、TogやCloの数字よりは暖かめの布団を選ぶほうが快適だと私は考えます。
それと、子供は発熱量が大きく、かつ小さい体なので寝具は少なめが推奨されています。もし小さな子供と一緒に寝る布団を探すのなら、そこも考慮したほう良さそうです。
いずれにしても、自分にとって快適なものが正解です。私の記事が参考になったら嬉しいです。