先日、サウンドハウスでUltrasoneの「Signature FUSION Open Back」が驚きの価格で売られているのを発見。抗えずに注文してしまいました。
丸一日使い込んでみた感想を、シンプルにまとめます。
外観

Signature FUSION Open Backはドイツの職人によるハンドクラフト。
Apple製品のような精巧な工業製品とは違う、手作りならではの温かみや上質感が漂います。

樹脂製のヒンジは一見頼りないですが、プロの現場で長年使われている設計なので、実用上の信頼性は問題ありません。

イヤーカップのロゴも、実物はひんやりとした金メッキのメタルで、写真で見るよりもずっとカッコイイです。

また、イヤーカップの一部にシープスキンレザーがあしらわれていたり…。

ヘッドバンドの肌が当たる部分はメッシュになっていたりと、細かい工夫が手作業の温かさを感じ、愛着が湧きます。
ゴツいハードケースが付属します。ケーブルも1.4mの4.4mmのバランス接続、1.2mの3.5mmミニプラグ、3mの標準プラグの3本が同梱されていました。
装着感

Signature FUSION Open Backは重量290gと数値上はそこそこ重いのですが、装着すると驚くほど重さを感じません。
ヘッドバンドの工夫: 頭頂部の窪みが圧を逃がしてくれる。 総じて、長時間のリスニングでも非常に快適です。
開放型×ベロア素材: 蒸れとは無縁。
新品でも側圧はそれほど強くないですし、他のヘッドホンと比べても装着感は確実に良い方だと言えると思います。
音質
結論から言うと、デフォルトの音は私の好みとは少し異なりました。
高い解像感とモニター性能
非常に高性能なヘッドホンであることは間違いありません。解像感が高く、ミックス作業でエフェクトの微細な変化をチェックするような用途には最適だと感じます。
リスニングにおける違和感
ただ、純粋に音楽を楽しもうとすると、少し物足りなさが目立ちます。
• 高域: 響きが少なくドライな質感
• 低域: 沈み込むようなサブベースが弱く、その上の帯域のアタック感が際立つ
そのため、音楽の世界に没入するというよりは、どこか客観的に音を眺めてしまう感覚があります。
設計の意図と相性
これは「高い解像感」と「長時間使えるバランス」を両立させるための、モニター・リスニング兼用モデルゆえの音作りなのでしょう。
しかし、普段からBose UltraやAirPods Pro 3のような「深い低音と空間の広がり」を好む私にとっては、そのままだと少し素っ気なく感じてしまいました。
EQ設定:自分好みに仕立てる

そこでイコライザで調整を施したところ、このヘッドホンの真価が見えました。
| 帯域 | 調整内容 | 狙い |
| 超低域 (30Hz – 60Hz) | +3dB 〜 +5dB | 抜けてしまっているサブベースを補強し、重心を下げます。 |
| 中低域 (150Hz – 300Hz) | -2dB 〜 -4dB | 膨らんでいるミッドバスを削り、音の濁りを消してスッキリさせます。 |
| 超高域 (10kHz以上) | +2dB 〜 +4dB | 「デッドすぎる」空間に空気感を足し、開放型らしい抜けを作ります。 |
不足していた低域を補い、全体のバランスを整えると、いつもの「派手で気持ちいい音」に化けます。
それでいて、Signature FUSION自体の基礎体力が非常に高いため、音の生々しさや情報量は愛用中のワイヤレスのものとは格が違います。 ポテンシャルを自分好みの方向に引き出す楽しさがある、非常に懐の深いユニットです。
さいごに

初のUltrasoneでしたが、実に面白い経験でした。
そのままの音に馴染めなくても、EQ一つで「最高のリスニング機」に変わる。
試してみる価値は大いにあります。
そういえば”ゾネホン”はS-Logicなどの独自技術で”個性的の音”がすると評判でしたが、このモデルに限っては普通な印象でした。密閉型だと違うのかな?


