2024年に、LG Ultrafine 4K 21.5インチ(22MD4KA-B)を使ってみました。
結論から書くと、2024年でもとても価値のあるディスプレイだと感じました。
LG Ultrafine 4K(22MD4KA-B)について
LG Ultrafine 4K Displayの名称で2016年12月にApple公式オンラインストアで発売が開始されました。
実質、Apple Thunderbolt Displayの後継機です。
21.5インチで4096×2304ピクセルの解像度を持ち、219ppiととても高精細です。500cd/m²(500ニト)の輝度、DCI-P3 98%の色域、ハードウェアキャリブレーションにも対応しておりプロユースにも使えるスペックです。
ポートはTB3が1つ、USB-C(USB 2.0)が3つです。
基本的には21.5インチのiMacのディスプレイだけ、といった感じですね。
映像は美しい
Ultrafine 4は219ppiの高精細さと、DCI-P3 98%の色域を持ちます。その映りは、2024年に見ても十分に美しく、現行の純正ディスプレイであるStudio Displayと比べても遜色無いレベルです。
もちろんMacBook Pro 14インチと並べても見劣りせず、快適に使えます。
ただ反射防止コーティングはStudio Displayと比べると劣り、映り込みはやや強めです。少し古いグレア液晶という感じです。
端が赤み掛かっている
Ultrafine 4Kの映りの問題点としては、ディスプレイのフチ1cmくらいの部分が赤み掛かっていることです。白背景にするとはっきりわかるけれど、黒っぽいと気にならない程度のものです。
これに関しては制御基板に問題があるとのことで、割り切って使う必要があります。これが気になるという人はこのディスプレイを使うのは厳しいかもしれません
True Toneはネイティブでは非対応
環境光に応じてディスプレイの色温度を最適なものに調節するTrue Toneは、Ultrafine 4Kのみでは対応不可です。
Ultrafine 4KでTrue Toneを有効にするためには、True Toneに対応するMacBookを繋ぎ、クラムシェルでない開いた状態で使う必要があります。
使用感
Appleとの共同開発品というだけあって、Macとの相性は抜群です。
スリープ復帰時の挙動も安定しています。基本的にサードパーティ製はここが不安定になりがちで常用しにくいのですが、LG Ultrafine 4KはApple純正同様の安定っぷりです。
21.5インチというサイズについて
21.5インチは、MacBookと比べると大きいものの、デスクトップとしては最小クラスというサイズ感です。
使った感じは、MacBookの画面をそのまま広くした感覚で、それ以上でも以下でもありません。
サイズに関しては好みという他ありません。何に使うのか、用途にもよると思います。
個人的には存在感が少なく、デスクに置いた際にディスプレイが中心、みたいにならないのが好印象でした。
スピーカーの音は微妙
Ultrafine 4Kはステレオスピーカー内蔵ですが、音質は全く良くないです。個人的にはYouTubeで音声コンテンツを聞く気にもなれないレベルでした。
音質に拘るなら、無いものと考えたほうがいいと思います。
ポート類
背面のUSB-Cポートは4つで、うちThunderbolt3の一つはMacとの接続で埋まるので、実質3つのUSB-C(USB 2.0)ポートが空いた状態になります。
私は充電に使うくらいなので全く困りませんが、さまざまな機器を繋ぐならハブは必須になるでしょう。
外観
一般的な液晶ディスプレイと比べるとゴツく、しっかりしています。
重量もかなりあり、21.5インチのディスプレイで5.6kgです。
デザインは太いベゼルが古臭いものの、背面の角張った意匠はかっこいいですね。ただし全体が樹脂で覆われているため質感は普通です。
Apple Store専売品とはいえ、Appleブランドでは無いからか、外観のクオリティはそこまで高いとは言えず。残念ながらStudio DisplayやThunderbolt Displayのようなレベルにはありません。
23.7インチのUltrafine 4Kは別物です
解像度 | ppi | 備考 | |
Ultrafine 4K | 21.5″4096 x 2304 | 219 | Thunderbolt 3 x 1, USB-C (USB2.0) x 3 |
Ultrafine 4K 23.7″ | 3840 x 2160 | 186 | Thunderbolt 3 x 2, USB-C (USB3.1 Gen1) x 2 |
Studio Display 27″ | 5120 x 2880 | 218 | Thunderbolt 3 x 1, USB-C (USB3.1 Gen2) x 3 |
一般的な4K 27″ | 3840 x 2160 | 165 |
同じUltrafine 4Kという名称のディスプレイでも最近まで売っていた23.7インチと、このポストで扱う21.5インチは別物なのでご注意ください。
23.7インチのUltrafine 4KはThunderbolt 3が2ポートで、デイジーチェーンに対応しており使いやすいディスプレイですが、解像度とppiが他のApple純正Retina Displayよりも低いため、映像の品質はそれらより劣ると考えられます。
さいごに
2024年、実際にLG Ultrafine 4Kを使ってみた感想は「今でもMacの外部ディスプレイとして非常に優秀」だというもの。
理由はMacとの相性が良く動作が安定していること、現行品のApple製品と並べても遜色ない映像美を持っていることです。
LG Ultrafine 4K 21.5インチを2024年に手に入れるとすると中古になってしまいます。
もし運よく良い個体に当たれば、Macの外部ディスプレイでは最も手軽に最も満足できる一品になるかもしれません。