ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン、Bose QuietComfortを購入したのでレビューします。
Bose QuietComfortと、旧モデル45について

Bose QuietComfort(SE)はワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンの定番製品。約10年間変わらないデザインで、いまだに他社よりも1歩進んだ快適性とノイズキャンセリング性能を併せ持っています。
発売日は2022年。旧モデルのQuietComfort 45とは同じ240gで軽く快適な装着感、強力なノイキャン、Bluetooth5.1とマルチペアリングに対応、SBCとAACのみに対応、と基本的には変わっていません。
違いはいくつかあります。一つはサウンド。QC45は高域にピークがありましたが、QuietComfortはそれが抑えられてよりバランスの良いサウンドになっています。もう一つはWind Block機能。風が強い屋外でのノイズを低減する便利な機能ですが、これがQuietComfortでは使えます。
あとはBOSEのロゴがシルバーのエンボスからシルク印刷に変更になっています。
QuietComfort 45から買い替えるほどの変化はありません。
“SE”とそうでないものの違いは?
付属ケースが違います。SEはソフトケース、そうでないものはハードケースです。
外観

外観です。BOSEのロゴが主張します。
特別な高級感はありませんが、とても機能的で洗練されている印象です。

イヤーカップは深く、耳をすっぽり包み込んでくれます。

ヘッドホン本体の折り畳みが可能です。

折り畳んだ状態で収納可能なポーチが付属します。持ち運びに便利です。
装着感

装着感は、最高クラスです。
重量は240gと、本格的なノイズキャンセリングヘッドホンの中でも随一での軽さです。
イヤーカップは合皮ですが、サラッとしていて蒸れにくい印象です。イヤーカップが深いので耳が触れることもありません。側圧も優しめ。メガネを装着していても強く押し付けられることもなく快適です。
ノイズキャンセリング
ノイズキャンセリング性能は素晴らしいです。このジャンルはBOSEが第一人者なので信頼できますね。
フライト中などは大きなエンジン音を抑えることができてかなりストレスを軽減できます。デスク作業時に使うと空調の音や気が散る音はほぼ消えて、集中力が増します。
ただ、元々静かな環境で、何も音を流さない時はホワイトノイズがやや気になります。
アウェア(外部音取り込みモード)も秀逸です。開放感があり、何もつけてないくらいの感触があります。押しやすい物理ボタンで切り替えができるのでそういう意味でも快適です。
音質
音質についての主観です。
デフォルトの状態は、ドンシャリ感や緊張感のあるやや派手なサウンドだと感じます。BOSEらしく、エネルギー感に溢れるサウンドで音楽が楽しいです。
イコライザーで自分好みの音を作ることも可能です。個人的には高音減衰のモードが刺激が少なく、落ち着いて好みでした。
操作性

操作は全て物理ボタンで行います。特に電源のオンオフの状態が目で見てわかるスイッチが素晴らしいです。

音量の上下と再生、停止。

ノイキャンとアウェアモードの切り替え。
やっぱり物理ボタン最高ですね。
アプリ

イコライジングやマルチペアリングの設定などは、Boseアプリで行います。
イコライザーは非常に良くできていて、高音・中音・低音の3つを調整するだけで好みのサウンドにできます。

マルチペアリングにも対応しているのですが、オンにすると私の環境では音飛びをするようになりました。もし気になるような音飛びがある場合、デバイス1台だけに繋げた方がいいかもしれません。
私は1台のみの接続で安定しました。
Sonos Aceと比較

2024年にSonosから発売されたSonos Aceと、Bose QuietComfort を比べてみます。
外観は圧倒的にSonos Aceに軍配が上がります。アクセサリーとしてもありな美しい佇まいです。
音質は私の主観ですが、デフォルトだとSonos Aceの方が音の温かみを感じて、心地良く感じます。ただしイコライザーを施すと、Bose QuietComfortも心地良いです。絶対的な音質は表現が多彩という印象のあるSonos Aceに軍配が上がると思います。
ノイズキャンセリングはどちらも高い性能です。元々静かな環境で使うと、Bose QuietComfortも十分に静かになりますがややホワイトノイズを感じます。Sonos Aceはそのホワイトノイズすら感じず、何もないような静けさになります。
装着感は、Sonos Aceは吸い付くような上質なイヤーパッドの質感で気持ち良いです。ただ312gと重く、密着感が高いイヤーカップで熱がこもり蒸れやすい印象です。この点、240gと軽く蒸れにくいBose QuietComfortは、長時間の使用でより快適です。
その他細かい使用感だと、Sonos Aceは最小音量が大きい、という欠点があり、個人的にはもっと小さい音にしたいという場面でも小さくできないのはややストレスです。そのあたりの不満はBose QuietComfortにはありません。
AirPods Maxと比較

手持ちのApple AirPods Max(USB-C)とも比較します。
外観は、AirPods Maxの圧勝です。ファッションアイテムにもなる美しいデザイン、質感です。
音質も、AirPods Maxの方が良いです。特にMacと組み合わせる場合は空間オーディオが有効になり圧倒的です。Bose QuietComfortも聞いていて楽しい音質ですが、AirPods Maxのクリアなサウンドと比べると全体的に曇りがかかったように聞こえます。
ノイズキャンセリングは、どちらも高いレベルですが、Bose QuietComfortはサーッというホワイトノイズがかなり多めで気になります。
装着感は240gの軽量さでBose QuietComfortが圧倒的に快適です。384gのAirPods Maxは個人的には短時間で首が疲労してしまいます。
使用感は複数のAppleデバイスで使う場合、AirPods Maxがシームレスな連携でノンストレスです。Bose QuietComfortはApple以外のデバイスでも使えます。
まとめ

Bose QuietComfortについて書いてみました。
文字通り強力なノイズキャンセリング性能と快適な装着感を持ったヘッドホンです。
Bose QuietComfortは最近のヘッドホンのような「外で装着した時のかっこいい感」こそありませんが、快適さとノイキャン性能が最高クラスで価格も手頃なので、個人的にはハイクラスのSonos AceやAirPods Maxのようなヘッドホンよりも実際の使用感は上だと感じています。強くおすすめできます。
上位モデルの「Ultra」はデザイン、音質、ノイキャン、装着感の全てがブラッシュアップされています。後日レビュー記事を公開します。
8年前に書いた古いモデルQC35のレビュー。今よりも写真も文章も丁寧かも。